奈良医院だより №449

       

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奈 良 医 院

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令和6年5月1日

  (2024年)     

サプリメントに頼らない食生活を 

    ―健康被害を受けない為にも― 

 最近、紅こうじを使ったサプリメントによる健康被害の情報が頻繁に入ってきております。体に良いとのキャッチフレーズで出回る、健康食品、サプリメント、機能性表示食品、特定保健用食品(トクホ)等様々なものがあります。特定保健用食品(トクホ)については国が効果や安全性を審査して、ゴーサインを出しておりますが、それ以外のものは効果や安全性に関し国がお墨付きを出している物ではなく、野放し状態であり心配されるものです。コレステロールが下がるとか、血圧に良い、糖尿病に良いなどの触れ込みで販売されておりますが、本当に必要であれば、医薬品として医療機関から処方してもらって服用する薬剤のほうが市販薬より効果がはっきりしており、安全性が高く、安上がりです。医薬品として認可されるためには、ハードルの高い臨床試験を通らなければ認可されませんし、副作用があるとすればその種類、頻度等が明らかにされております。副作用が多すぎるものは、許可されず発売が出来なくなってしまいます。新発売後に臨床試験中に発見されなかった副作用が出た時は、発売後にもかかわらず、使用取り消しになり、市場から撤去される場合もあります。また、副作用が少なくて使用継続が可能なお薬でも、処方する医師や管理薬剤師は、副作用の内容を理解し、服用している患者さんにとって問題ないか否か定期検査時チェックしながら継続治療を考えているのが常です。お薬も多ければ良いのではなく、必要にして充分な効果がある少量で対応しています。良くコマーシャルで○○が何億個入っているとか、○○が大量に入っているので、これだけで十分とかというのを目にすることがあります。多ければ良いという考え方は要注意と思います。私を含め昭和生まれの人で子供時代に肝油を飲まされた経験がある人は多数いると思います。戦中戦後の食糧事情が悪い時、ビタミンAD不足を補うため飲まされたという事で、不足分を補う事で栄養バランスが取れたと思います。現代社会では、特別な事情が無い限り、栄養不足になることは無いと思います。それなのに、サプリメントや栄養補助食品、機能性表示食品等を身体に良いからと多く取るとその分だけが過剰になり、結果的に栄養バランスが崩れてしまいます。毎日の食事を好き嫌いせずしっかりバランスよく摂取することが最適と考えましょう。主治医から検査の結果、蛋白質がたりないとか鉄分が低すぎるとかを指摘された時は必要な食事療法を教えてもらい対応しましょう。食事療法も治療の一つです。


                     てんじゅ裏