奈良医院だより  bQ24

                                                       

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                          平成17年8月1日

                          (2005年)

家庭血圧測定のすすめ

奈良正人

高血圧は脳卒中、心筋梗塞の危険因子です。どちらも動脈硬化が原因でおこるものですが、脳卒中、心筋梗塞の死亡率を合わせるとガンの死亡率と同じくらいになります。長寿国日本において元気で天寿をまっとうするためにはガンの予防と早期発見、動脈硬化の危険因子である高血圧、高脂血症、糖尿病、肥満、喫煙、運動不足などを望ましい状態にしておくことが大切です。

血圧はその日の体調や精神状態などで大きく変動します。さらに測る時間によっても違います。したがって、毎日決まった時間に家庭で血圧を測ることが本当の自分の血圧を知る第一歩になります。最近の研究から病院で測った血圧が良好であっても、家庭で測る血圧が高い例があることが分かってきました。これを‘正常血圧という仮面をつけた高血圧,という意味で「仮面高血圧」と呼んでいます。

家庭では正常血圧なのに、医療機関や健診時に医師や看護師の白衣の前では緊張して血圧が高くなっている、いわゆる「白衣高血圧」とは対照的な言葉です。

血圧は目が覚める少し前から徐々に高くなってきます。そのためか脳卒中や心筋梗塞は朝方から午前中に多く起こっています。仮面高血圧の中で早朝に血圧が高くなっている「早朝高血圧」では特に注意が必要と言われています。毎朝自宅で血圧を測定し記録する習慣を持ちましょう。血圧が135/85mmHgを超えた場合は自分の血圧値の記録を持って医師にご相談下さい。

家庭での高血圧の管理には睡眠を充分にとり、塩分を少なめにし、緑黄色野菜や果物を充分にとりましょう。喫煙は避け、アルコールはほどほどにし、運動習慣を持ち太り過ぎに注意しましょう。早朝高血圧型の人は朝はゆとりをもって行動し、起床後や入浴後は水分補給を心掛けましょう。自分の体質を良く知った上で、生活習慣の見直しと必要の応じた薬物療法はあなたの天寿まっとうに役立つことでしょう。

てんじゅ裏