奈良医院だより №321

                                                                         

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平成25年9月1日

(2013年) 

「がん征圧月間」に寄せて

奈良 正人

我が国において、昭和35年から毎年9月を「がん征圧月間」と定め、がん予防キャンペーンを実施してきております。がんによる死亡は、長寿国日本における死亡原因の第1位が続いており、高齢者においては2人に1人はがんになると言われています。がんの発生原因はすべてわかっているのではないのですが、その原因や遺伝的なものが少しずつわかってきております。例えば「大腸がん」については家族に発症した人がいる場合、要注意と言われています。検診で糞便潜血反応が陰性であっても問診から要精査と言われることがあるのはそのためです。「胃がん」についてはヘリコバクターピロリの感染が影響すると言われています。保菌が確認されたら除菌がおすすめです。すべての保菌者が除菌した場合、胃がんの発生が激減すると予想されているほどです。「肝臓がん」についてはB型、C型肝炎ウイルスに感染している人がなり易いため、感染している人にはインターフェロン療法が推奨されています。酒を飲んで顔が赤くなる人は「食道がん」の発生率が高いということもわかってきています。また喫煙者はすべてのがんの発生率が高いとの報告があります。それぞれの体質を理解しながら予防に努めて、検診などを定期的に受け、早期発見・早期治療できるように心がけましょう。病気に対しては予防が一番と言われておりますが、現在、使用可能な予防ワクチンは子宮頸がんワクチン(サーバリックスorガーダシル)のみです。対象年齢の女性にはおすすめです。全ては体力勝負、禁煙、節酒、清潔に心がけ、がん予防に気を配りましょう。

がん予防の12ヶ条
 ①偏食しないでバランスのとれた栄養をとる。
 ②同じ食品を繰り返し食べない。
 ③食べ過ぎを避け脂肪をとりすぎない。   
 ④深酒をしない。
 ⑤適量のビタミンA、C、Eと繊維質のものを多くとる。
 ⑥塩辛いものを多量に食べない。あまり熱いものはとらない。
 ⑦ひどく焦げた部分は食べない。      
 ⑧かびの生えたものは食べない。

 ⑨喫煙はしない。        
 ⑩過度に日光に当たらない。        
 ⑪過労を避ける。             
 ⑫体を清潔にする。

てんじゅ裏