奈良医院だより №448

       

〒018-3325

秋田県北秋田市元町11番15-3

奈 良 医 院

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令和6年4月1日

  (2024年)     

緊急災害に備えを  

 地球温暖化などが叫ばれて久しくなっておりますが、気候変動から水害、地震、土砂崩れ等の自然災害が増えてきたように思います。何かあるたびに災害地への医療支援が叫ばれ、地方自治体や日本医師会からD-マット、J-マットと呼ばれる医療支援チームが派遣されて、医療サポートが行われております。奈良医院でも先の3・11東日本大震災の時、J-マットチームとして、2回派遣され釜石市に行ってきました。避難所での診察、自宅に出かけての訪問診療に従事してきましたが、治療を受けている当事者が自分の病名、服用している薬剤をしっかり把握しているケースが少ないように思われました。お薬手帳を持っていた例では早くから3日分ずつでしたがお薬が処方されました。しかし、内容が不明のケースでは投薬を再開し、安定するまでかなりの時間を要したとの事でした。災害支援対策本部が稼働し、医療支援が充実してくると、翌日以降の配達とは言え、4週間の定期処方が可能となっておりました。普段治療を受けている人は、自分自身の病名や使用しているお薬や検査結果に関心を持っておくことが大切です。お薬手帳や、スマホ等にデーターを入れておくなど、緊急時に備えておきましょう。また災害時には、停電や食料の流通が途絶え、日常生活に支障をきたすことがおきております。家庭でも緊急災害時に備え、食料備蓄、乾電池やホッカイロ、スマホ等の充電ができるような備えも大切と思います。緊急災害時でなくても、インフルエンザやコロナウイルス感染症に感染すると、5日間の自宅療養が必要になります。一人暮らしの方や、家族全員が感染すると買い物にも出かけられず、食料の備蓄が無いと死活問題です。更にソーラーパネル、蓄電システム、電気自動車等の設備等を考えたり、プロパンガス利用の調理、暖房、カセットコンロ利用も考えたりしておきましょう。石油ストーブも良いのですが、石油ファンヒーターは停電時には使えないので注意が必要です。
「救急医療情報キット」(安心キット)が65歳以上で、一人暮らしの方、高齢者のみの世帯で健康に不安のある方に配布され、緊急連絡先、かかりつけ医、持病、定期処方等の情報を記入した用紙を容器に入れ、冷蔵庫に保管するようにしております。状況が変わった時は忘れずに内容の記入も変更しておきましょう。


                     てんじゅ裏